このページでは、入門者のために囲碁のルールを解説します

囲碁は難しくて奥の深いゲームですが、ルールはとてもシンプルなので、だれでもすぐに覚えることができます。囲碁についてなにも分からない方は、まずはここから始めましょう

1. はじめに

囲碁(碁)は「碁盤(盤)」「碁石(石)」を使って遊ぶゲームです。一番一般的な碁盤は、「19路盤」と呼ばれる縦横に19本ずつ線が引かれたものですが、それ以外にも「13路盤」「9路盤」というのも比較的よく使われます。このページの解説では、9路盤を使います。碁石には黒と白の二色があり、二人の対局者が、盤上の縦線と横線が交差した場所に、それぞれの色の石を交互に置いていって、ゲームを進めます。通常は黒が先に打ち始めます。最終的に相手より多く陣地(「地」と呼びます)を作った方の勝ちになります

2. 相手の石を取る

囲碁では、自分の石で相手の石を囲んで、相手の石を取り上げることができます。囲まないといけない場所は、「縦」「横」だけで、「斜め」は関係ありません。また、碁盤の一番外側を使って囲ってもかまいません

次の図で、次に黒がに打つと、それぞれの白石を取ることができます

打った後は次の図のようにそれぞれなります

縦横につながった一連の同じ色の石は一つのかたまりとみなされます。そのかたまりのすべての縦と横を囲うと、かたまりごと取り上げることができます

次の図でも、次に黒がに打つと、それぞれの白石のかたまりを取ることができます

打った後は次の図のようにそれぞれなります

3. 自殺手

囲碁では、基本的にすでに石が置かれている場所以外ならどこにでも打つことができますが、例外が2つだけあります。1つ目が、「石を打った時、打った石自体が取られる形になる場所」です。これを「自殺手」と言います

次の図で、黒がに打つことはできません

打った場所の縦横に味方の石がある場合も、つながった一連の同じ色の石はひとつのかたまりとみなされ、そのかたまりが取られる形になる場所にも打てません

次の図のに、黒は打つことができますが、

次の図のには、黒は打つことができません

ただしいずれの場合にも、「石を打った時、相手の石を取ることができる場所」には打つことができます。相手の石を取りあげると、今打った自分の石はもう取られる形ではなくなるからだと考えてください

次の図のには、黒は打つことができます。の白石を取ることができるのを、確認してください

打った後は次の図のようにそれぞれなります。今打った石やその石につながった一連の同じ色の石のかたまりが取り上げられることはありません

4. コウ

打つことができないもう1つの場所は、「石を打った時、1回前に自分が打った時と全く同じ盤面になる場所」です。これを「コウ」と言います

次の図で白がに打った後、続けて黒がに打つことはできますが、

次の図で白がに打っての黒石を取った後、続けて黒がに打つことはできません。また元の盤面に戻ってしまうことを、確認してください。コウはこのいつまでも終わらない繰り返しを防ぐために、ルールとして決められています

5. 地と死活

囲碁は地を作るゲームでした。では、どういう場所が自分の地になるのでしょうか?

次の図を見てください。で示された場所は、縦と横を黒石で囲まれています。この場所が、黒の地になります。が2つできたので、「2目」の地と呼びます

地を作るときには盤の一番外側も使ってかまいません

次の図を見てください。で示された場所は、黒石と盤の一番外側で囲まれていますが、ここも黒の地になります。こんどは9目の地ができました

では、次の図ではどうでしょうか? 今度は先ほどと違い、黒地の中に白石が1つ入っています

この場合も、で示された場所が、黒の地になります。なぜなら、この黒地の中の白石はすでに死んでいるからです。こういう石を「死石」と呼び、石の生死を「死活」と言います

では、どういう石が死んでいて、どういう石が生きているのでしょうか? 簡単に言うと、「相手が取ろうとすれば取れる石は死んでいて、相手が取ろうとしても取れない石は生きている」となります

まずは、次の図を見てください。この白は次にへ黒に打たれると取られてしまいますので死んでいます

では、次の図はどうでしょうか? 先ほどの図ほど分かりやすくはありませんが、実はこの白も死んでいます。例えば、黒がに打つと、白は次に黒にに打たれるのを防げません。白が打って、に打った黒を取ると、もう一度黒にに打たれて全部取られてしまいます

では、さらに次の図はどうでしょうか? これは意外と簡単で、白は完全に生きています。なぜなら、黒がこの石を取るためには、に打たないといけませんが、両方の手とも自殺手なので、打つことができません。このような区切られた地を「眼」と呼び、この白のような石は、「二眼」を持っていると言います。一番一般的な石の生き方が、この「二眼を持つ」ことです。先ほどの2つの例は、一眼しか無かったので生きることができませんでした

最後です。次の図だったらどうでしょうか? この白は先ほどの図と違って、まだ一つのまとまった地しか持っていませんが、仮に黒にに打たれればに、に打たれればに打つことによっていつでも二眼を作れます。ですので、この石は何もしなくてもこのままの状態で生きています。この石も、すでに二眼を持っているのです

6. セキ

ほとんどの場合、石が生きるのは二眼を持つことによってですが、それ以外のケースが無いわけではありません

次の図を見てください。の黒石との白石は、まだ眼を持っているとは言えません。二眼を持って生きるためにはそれぞれの相手の石を取ってしまわないといけませんが、そのためには真ん中のを埋めていく必要があります。ところが、2つあるの内どちらか1つに打った後に、続けて残りのもう1つを相手に打たれると自分の石が取られてしまいます。これは黒も白も同じで、お互いに取りにいきたいけれども取りにいけない形になっています。こういう形を「セキ」と呼び、の黒石との白石は両方とも「相手が取ろうとしても取れない石」ですので、それぞれ「生き」となります

7. 終局

もうこれ以上打っても自分の地は増えないし相手の地も減らないなと思ったらパスすることができ、両対局者が連続でパスするとそこで対局は終了です。その後、勝敗の確認をするために地の計算をします。また、対局中にもう勝ち目がないと思ったら、自分の負けを宣言してゲームを終えることもできます(要するに降参です)。これを「投了」すると言います

8. 地の計算

最初にも書いたとおり囲碁は地の大きさを争うゲームですが、正確には次の4つの合計が大きい方の勝ちになります

1つ目は、盤上の地の大きさです。これは先ほど説明しました

2つ目は、取り上げた相手の石の数です。これを「アゲハマ」と呼びます

3つ目は、相手の死石です。盤上から取り上げたわけではありませんが、これもアゲハマと同じ扱いになります

4つ目は、「コミ」と呼ばれるハンデです。囲碁は通常黒から打ち始めますので、どうしても黒が少し有利になってしまいます。そのため、白にこのコミを与えることでバランスを取ります。実際のコミの大きさはその時その時の設定次第ですが、現在は6目半(6.5目)で打たれることが多いです。盤上に作ることのできない「半目」というのが少し不思議ですが、これは引き分けを避けるためによくコミに設定される数字です

では次の終局図で、一度計算してみましょう。この例では、コミは6目半、黒のアゲハマ(黒が取り上げた白石)が1目、白のアゲハマが2目とします

まずは死活を確認しましょう。「相手が取ろうとすれば取れる石」が死石でした。今はまだ、ひと目で判別するのは難しいかもしれませんが、の黒石との白石が死石です

それを踏まえて地を数えます。黒は20目、白は18目です。の1目は、黒石だけか白石だけに囲われているわけではないので、ここはどちらの地にもなりません。こういった場所を「ダメ」と呼びます

最後に全部を合計して、相手と比べます

20目 18目 
アゲハマ1目 2目 
相手の死石3目 2目 
コミ6目半
24目 28目半

白の方が4目半多いですから、この対局は白の勝ちとなります

9. 最後に

以上で囲碁のルールの解説は終わりです。まだあやふやなところがあるかもしれませんが、ルールを覚えるには実際に囲碁を打ってみるのが一番! まずは、COSUMIの囲碁対局ゲームの5路盤に挑戦してみてください

最初は負け続けてしまうかもしれませんが、あせらずゆっくり打ち続けていけば、必ず勝てるようになります。上達のコツは、「一手一手を大切に打つこと」。考えるということをしないで適当に打ってても、強くはなれません。また、対局リプレイには棋譜解析機能があり、あなたが打った対局を瞬時に解析して、より良い打ち方を分かりやすく教えてくれます。比較的精度高く解析してくれますので、ぜひそれを参考に自分の手を修正していってください。そして、5路盤で勝てるようになったら6路盤、7路盤、8路盤、9路盤(レベル0)と順に進んでいくのがおすすめです。9路盤(レベル0)で5回に1回勝てる棋力になれば、ネット碁デビューも十分できると思いますよ!

このページでもすでにいくつか出てきましたが、囲碁には普段の生活で使わないちょっと変わった専門用語がたくさんあります。もしも、テレビの囲碁番組や棋書の中で意味の分からない単語が出てきたら、こちらのサイトで調べてみてください